私は3年前に大阪府から和歌山県(三重県と隣接)している地方に移住してきました。今回、楽天モバイル株式会社がサービス提供を開始した「Rakuten UN-LIMIT V」と契約し、使用してみた体験を紹介します。
メリット、デメリットを感じたままにまとめていますので、ぜひ、契約時の参考にしてみてください。
和歌山県と三重県の県境の通信事情
どうもガクです。
3年前に大阪府の人口過密都市から和歌山県に移住してきました。
和歌山県といっても、三重県と隣接する辺境の地(新宮市)です。
「陸の孤島」などと不名誉な名称で呼ばれております。
時間的距離は国内ワースト3に入る地域です。
さらに、私の住む場所は市街地から離れ、山と川に囲まれた自然豊かな山間部。
要するに「僻地」です。
大自然の恩恵を受けながら、毎日ストレスフリーで暮らしています。
しかし、そんな田舎暮らしにも、さまざまな問題がある。
特に、私を悩ませているのが「通信環境」。
大阪で暮らしていた時はauと契約しておりました。
しかし、こちらに来ると、通信状態が悪い。
家の中にいるとアンテナが1本立つかどうかの、非常に危なっかしい状況。
これでは、モバイルとしての利用価値がない。
Yモバイルも契約していましたが、こちらは「圏外」になってしまうので、早々に解約。
早速、僻地に耐えうるモバイルサービスを探す。
結果、ドコモ一択になってしまいました。
利用料金はほかの大手キャリア2社より高くなってしまうが、背に腹は代えられませぬ。
これで、なんとか通信環境をクリアし、日常生活を送っておりました。
が…ここで、悪魔の囁きが…
地元のテレビ局・ZTVがドコモ回線を借り受け、モバイル通信サービス「ケ-ブルスマホ」を開始。
電話、テレビ、ネット回線を契約していた関係(これも、この地域では一択)から、「ガクさん、ぜひ、契約してください」と勧誘を受ける。
通信状況はドコモと変わらず、利用料金は月額1780円と破格!
一も二もなく言われるがままに契約。
不満だらけの通信環境
さて、利用料金も節約でき、これで「満足」とはいかないのが世の常。
安ければ安いなりの理由があるというもの。
まず、第1の理由。
「かけ放題プラン」がない。
いや、これは誤解を受ける言い方になりますね。
正確には「10分以内の国内通話が何回かけても無料」というものです。
これ、使ってみれば分かりますが、とても不便です。
友人と話していても、「ゴメン、10分になりそうだから、一回切るね」と約10分ごとにイチイチ断りを入れて、通話を遮断しなければならない。
友だちなら、それも許されるでしょうが、これが顧客や目上の人などになると、そんな面倒くさい依頼はできません。
その結果、長電話により10分を超えた通話に課金されてしまいました。
請求金額を見てビックリ!
1万5000円???
「ドコモより高いやんけ」と叫んでしまいました。
第2の理由。
「データ量3G/月」。
足りない…全く足りていない。
このため、月も半ばを超えると、3Gを使い果たし、「128Kbps」に通信制限されてしまいます。
これは、不便極まりない。
ブラウザを開くだけでもダラダラと表示。
イライラが募る日々が続く。
データを買い足すプランも提供されていないので、月末までは「ずっと我慢の子であった」。
このように、通信環境に悩まされる生活を約3年間続け、「なんとかしなければ」と思う気持ちが強くなってきた。
ポケットWi-Fiで緊急対策
そこで、私が採った手段はポケットWi―Fi「THE WiFi」を契約するという緊急対策。
これを契約しても大手3キャリアよりも、やや安いかな(1780円+3480円=5260円)?という感じです。
あまり賢明な選択とは言えないかもしれない。
が、イライラを解消するためには、もはやこの手段しか残っていなかったというのが正直な気持ちです。
大手3キャリアのエリア対応で、3キャリア中の一番強い通信を自動選択して提供してくれるというものです。
もちろん、月のデータ量は上限なしで使い放題。
これで、データ不足は解消できました。
しかし、通話制限の問題は残ったまま…
どうするんだ?ガク!
楽天モバイルサービス開始…だが、不安もたくさん
2020年3月3日、楽天モバイルはMNO(移動体通信事業者)としての正式サービスに向けた発表会をWeb中継で行いました。
サービス開始日は4月8日に決定。月額2980円で楽天エリアはデータ通信無制限の料金プラン「Rkakuten UN-LIMIT」とし、300万人までは1年間無料で提供すると発表。
楽天エリア内であれば国内でもデザリングなどを含め使い放題。
ですが、楽天自身の通信整備がない場所はauからネットワークを借りるローミングサービスとなり、auローミングエリアは月間2GB(現在は5GB)までと明かされた。
発表当時と現在(2020年10月23日時点)では、内容が異なるので、まとめてみました。
- 月額利用料:2980円
- 「Rakuten Link アプリ」の利用でかけ放題
- 楽天回線エリアでデータ使い放題
- パートナー回線エリアでも月間5GBまで使え、5GBを超えた場合は1Mbpsで使い放題
- 5Gエリアは5G通信で使い放題(エリアはかなり限定されています)
- いつでも解約可能。解約料は一切かからない
- 料金プランはひとつだけ(2980円、但しオプションを申し込んだ場合は別)
特徴としては、ざっと、こんなものでしょうか。
私の悩みを一気に解消する魅力いっぱいのサービスです。
ただ、一番気になるのは、「本当に使えるのか?」ですね。
特に、「和歌山県と三重県の県境で使えるのか?」が肝心要になってくる。
楽天モバイルならスマホの料金が超お得!スマホ2台持ち…悩んだ末に決断
契約するかどうかは、相当悩みましたよ。
特に悩んだのが、スマホの2台持ち。
現在のiPhone8との併用。
いっそのことSIMプランにしようかなとも思いましたが…
「全く使えない」場合の恐怖が頭をよぎる。
それだと、使えない状態のiPhone8を利用し続けなければいけないことに。
それに、iPhoneを長らく利用してきたので、それを完全になくしてしまうのは「どうよ」と躊躇しました。
悩んだ末に、私が決断したのが「2台持ち」もやむを得ない…というもの。
あとで、調べた結果、楽天モバイルのSIMカードに対応しているのは「iPhoneX」以降の機種だと分かり、悩む必要はなく、そもそも2台持ちの1択しかなかったということです(おバカ)
楽天モバイルの方は新しい機種にして、検証用として利用するという選択を。
とにかく、1年間は無料は最大の魅力。
この恩恵を受けない手はございません。
1年間は無料お試しができるということです。
1年以内に解約しても解約料金などもかかりません。
無料はサービス料だけで、端末代金は必要です。
但し、機種によっては、全額ポイントでキャッシュバックされるので、無料にすることができます。
これは画期的。
この無料期間で「使える」「使えない」を徹底的に検証すればいいのだ。
新規「AQUOS senes3 lite」で契約してみた!
決断すれば後は契約するのみ。
私の場合、PCでネット経由の申し込みとなります。
楽天モバイルのサイトから、青で囲んだ部分「新規/乗り換え(MNP)お申し込み」をクリック。
プランを選択するページ。
プランは1択なので、そのまま「プランを選択する」。
オプションサービスなどを選択するページ。
オプションは申し込みませんでした。
選択後、「製品選択へ進む」。
製品選択。
「AQUOS senes3 lite」を購入しました。
私が申し込んだとき、この機種は2万6000円分がポイント還元されていましたので、機種代金も無料にするため、この機種を選ぶ。
「5G」対応の製品もあるが、東京、名古屋、大阪など一部地域のエリアしかないので、和歌山県と三重県の県境では意味なし。
購入手続きを済まし、あとは、製品が到着するのを待つのみです。
商品到着が到着し、新機種にSIMカードをセット!
申し込み後、翌々日に商品が届きました。
ど田舎の僻地でこのスピードにはビックリ。
製品の左横上部(AQUOS senes3 liteの場合)にあるSIMカードトレイを引き出します。
切り離したSIMカードを、画像のように位置を合わせ、SIMカードトレイにセット。
水平に保ったまま本体に差し込み、最後まで押し込む。
これで、SIMカードのセットは完了。
あとは、本体の電源を入れるだけ。
本体の初期設定を行う。
あとは、使い倒すだけです。
「使える」「使えない」を検証?!
さてさて、約半年の使用を経た実感として…
まず、肝心の電話番号は「070」から始まる番号となります(新規の場合)。
和歌山県と三重県の県境で…しかも、ど田舎で「楽天モバイルは使えるのか?」
まず、楽天回線エリアがこの地域に拡充されていないので、結局はパートナー回線エリア(au)での使用となり、自宅室内ではドコモ回線より電波が弱くなってしまいました(それが理由でauを解約したのに)。
自宅で電波がかすかに1本立つ感じです。かろうじて通話はできますが、時々、電話の相手から「もしもし、ちょっと聞こえないんですけど…」と言われることも(泣)
通信速度は下りで「3・42Mbps」、上りは…「0」。
「ひえぇっ~」…悲惨な結果に。
世界遺産の「神倉神社」で計測。
通話のアンテナは3本、スピードは下り「4・49Mbps」、上りで「11・38Mbps」。
う~ん…微妙ですね。
なぜか、上りの方が容量がデカくなっています。
海沿いの「王子ヶ浜海岸」での計測。
通話はアンテナ4本、データ速度は、なかなかのスピードが出た。
平成の大合併の前は熊野川町役場だった、「熊野川行政局前」。
通話アンテナ4本、下り「41・91Mbps」、上り「13・23Mbps」と、市街地と変わらない速度が出た。
山間部の和歌山県(嶋津)と奈良県(十津川村)の県境で計測。
神倉神社と同じような結果に…下り「22・54Mbps」、上り「30・39Mbps」、アンテナは4本。
通話もデータ通信も、使える範囲内という結果に。
ただ、これらは全て楽天回線エリアではなく、パートナー回線エリア(au)となる。
これでは、楽天の最大メリット「高速データ使い放題」の恩恵を受けることはできなく、データ容量は月に5GBのみ。
超過後は1Mbpsまで制限されることに。
2021年春以降でも楽天回線拡大エリアの予定に入っていないので、当分はあきらめるしかないですね。
検証結果から…楽天モバイルは和歌山県と三重県の県境のまち「新宮市」でも「使える」。
しかし、データ通信では5GBの制限付きとなる。
通話「かけ放題」は、問題なく使えると思うが…「Rakuten Link」というアプリをダウンロードし、そのアプリを起動してからの通話となるので、ちょっと面倒くさい。
かけ放題…Rakuten Linkのダウンロードを忘れずに!
最後に私の失敗から、これだけは忘れないように。
私は、「Rakuten Link」アプリ利用で、「かけ放題」になることが分かっておらず、普通に「やった!かけっぱ」だと喜び、画像下の電話マークをタップし通話。あちこちに電話してしまいました。
すると、請求時に「あれ、なんだこの3000円の請求は?よく調べてみると、あっ、Rakuten Linkアプリを利用しなきゃ『かけ放題』にならないのか!」と、やっと理解した次第。「もっとわかりやすく書いといてよ!」(泣)
なので、機種本体の初期設定が完了すれば、何より先に「Rakuten Link」を必ずダウンロードしなければいけません。
かなり面倒くださいですね。
楽天モバイルの「かけ放題」は、この「Rakuten Link」アプリを利用した場合に限る。
ダウンロードすると青で囲ったアイコンが表示される。
このアイコンをタップしてから電話を掛ければ「かけ放題」になります。
まとめ 楽天モバイルのメリット・デメリット
「デメリット」
①データ通信はパートナー回線エリア(au)のみ。
②楽天回線エリアは2021年春以降も拡大の予定がないため、高速データ通信の使い放題の恩恵を受けることができない。よって、和歌山県と三重県の県境では現状使えない。
③①と②の理由から、月のデータ量は5GBまで。超過すれば1Mbpsに制限される。
④電話番号の始まりが「070」になる(新規の場合)。
⑤「Rakuten Link」アプリの利用で「かけ放題」←ちょっと面倒くさい。
「メリット」
①月額利用料2980円と破格。
②解約しても解約手数料はかからない。
③「Rakuten Link」アプリの利用で「かけ放題」。
④申し込み&「Rakuten Link」で3300円分のポイント還元が受けられる。
⑤楽天モバイル契約で楽天ポイントが1倍アップ(楽天市場での買い物に限る)。
これらのメリット、デメリットを考え合わせた正直な感想として、1年間は使い続けようと思います。
ただ、無料期間が終了すると2980円とはいえ、料金が発生しますので、判断を迫られることになります。
悩ましいところです。
1年間は使い続けようと思う。ただ、かけ放題の理由だけで使っているので、ほかの格安SIMでかけ放題があれば検討してみます。
最後に、近い将来、楽天モバイルもプラチナバンドと呼ばれる周波数帯域が低い700~900MHz帯が割り当てられそうです。
そうなると、楽天モバイルでも4Gサービスを提供することが可能になり、楽天回線でのデータ使い放題も実現できるでしょう。
楽天モバイルならスマホの料金が超お得!